花揃え

先日、吉岡幸雄先生の工房を訪ねました。昨年春の御講演時に、東大寺のお水取りの造り花の為に紅花を染めるところを一度、拝見したいとお願いしておりました。念願叶い、実現することができました。工房へお伺いするのはこれが四回目、前回は2003年で9年前の事でした。国宝である法隆寺四騎獅子狩文錦の復元されておられた空引き機を見せてもらう為でした。完成時は巾1m39㎝、高さ2m50㎝の壮大な大きさです。ジャガードを使わずに、機の上に人が乗り、経糸を引き上げ文様を操作する大変なものです。その時のもようは吉岡先生のHP http://www.sachio-yoshioka.com/blog/2003/02/d02/ に掲載されています。東大寺の修二会(お水取り)に十一面観音像の仏前に供華として椿の造り花が用いられます。それには黒谷の「紅・くちなし・素」の三色に染められた楮の手漉き和紙を使います。和紙の出来も毎年、漉く人によってかわるそうです。およそ1日3㎏の紅花を用い、3枚の紅色の和紙が染め上がります。金1斤:紅花1斤といわれ、非常に高価であり、60枚の紅を染めるため、60㎏用いることになります。最初の写真は根來の手桶に活けられたかわいらしいお花です。次に草木染めの材料は薬として用いられており、正しく薬箱の棚です。真ん中に見えるのが材料となる紅花を乾燥させたもの。水につけ込み、最初に黄色い成分を洗い出し、藁灰の灰汁で揉み込んで赤色を抽出します。稲藁を焼くかまどです。揉み込んだ後、残って藁灰の灰汁は陶器の釉薬になるとのこと。陶芸家の方にリサイクルされるようです。アルカリ性にして抽出した赤色を米酢を入れ酸性にして木綿に染めます。これは一旦、紅を木綿に移し、定着させずに濃度を高めるためであり、その後、鳥梅で沈殿させます。これを羽二重の上に流し、残った紅の泥、これを艶紅(ひかりべに)といい、和紙に塗重ねて行きます。4回~5回繰り返すとのこと。和紙も水分を含むと弱くなるために一回一回、間をおいて重ねます。このような行程をへて、たらの木を芯とし

椿の造り花が揃えられるのですが、揃える日が明日2月23日と聞いております。

先生の手元を離れ、東大寺に納められたのでしょう。一旦、納めてしまうと触ることは許されず、造る時にテンマござからこぼれおちた花は不浄のものとされ、おこぼれとして頂戴するそうです。縁あって頂戴した椿の造り花と光り輝く艶紅とくちなしと素の楮の和紙は私にとってかけがいのない宝物です。http://www.sachio-yoshioka.com/blog/2003/02/d03/ ご参考に。