ごあいさつ。織物は、その汎用性ゆえに、作り手の意思をは異なり、布から様々な形に姿を変え使われてきました。西陣の織物は帯という用途に限定し、特化することにより豪華絢爛な伝統の世界を織りあげてきました。建築家ミース・ファン・デル・ローエは「神はディティールに宿る」と有名な言葉を残しています。古くから伝えられた染織品の数々。私たちは一寸四方:約4cm弱の裂でも大切にし、その中に宇宙を見てきました。小さなディティールのなかに極めて強靭な意思が存在します。どのようか形であれ、そのなかにも美しさを保ち、ここにある存在をしめす。自分の創り出すものが、そのような織物であることを願います。老子の言葉」「玄又玄」は宇宙の創出である無と有、その二つを併せ持つものが玄であり、それは全ての妙、すなわちすばらしい本質を生み出すものです。この言葉から織の中の最も織であるもの。自分の中の最も自分らしいもの。その思いを「織又織」おりのまたおり とし、今回の展覧会の趣旨といたします。